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旭川地方裁判所 昭和49年(ワ)243号 判決

原告

玉堀富士夫

ほか一名

被告

加藤利夫

ほか一名

主文

一  被告らは各自原告らに対して各金六九七、九一三円および内金五九七、九一三円に対する昭和四六年一一月五日から、内金一〇〇、〇〇〇円に対する本判決確定の日の翌日から、それぞれ完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告らのその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用はこれを一〇分し、その一を被告らの、その余を原告らの各負担とする。

四  この判決は第一項に限り仮に執行することができる。

事実

一  原告らの求める裁判

1  被告らは各自原告両名に対しそれぞれ金六、〇六八、五六九円および内金五、五六八、五六九円に対する昭和四六年一一月五日から、内金一五〇、〇〇〇円に対する昭和四七年七月八日から、内金三五〇、〇〇〇円に対する、被告加藤利夫は昭和四九年九月一日から、同櫻井俊幸は同月二日から、いずれも完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告らの負担とする。

との判決ならびに仮執行の宣言。

二  被告らの求める裁判

1  原告らの請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告らの負担とする。

との判決。

三  原告らの請求原因

1  玉掘順(以下亡順という)は次の交通事故によつて死亡した。

(一)  発生時 昭和四六年八月二九日午後一時一五分頃

(二)  発生地 旭川市東旭川町豊田一五番地先

(三)  態様 亡順が被告櫻井俊幸(以下被告櫻井という。)運転の第二種原動機付自転車(以下加害車という。)に同乗していたところ、同車が道路外に転落した。

(四)  死因等 右事故により亡順は腹部挫傷(内臓損傷)左大腿骨々折の傷害を受け、そのため昭和四六年一一月五日死亡した。

2  原告らは亡順の両親であり、法定相続分により二分の一ずつ亡順の権利を承継した。

3  被告らの責任原因

(一)  被告櫻井が被告加藤利夫(以下被告加藤という。)の長男加藤清人(以下清人という。)から加害車を借り受けて運転中右事故を起したのであるが、被告加藤は加害車を所有し、自ら使用するほか清人にも通学のため等に使用させていたのであるから、加害車を自己のために運行の用に供していたものとして自賠法三条に基づく責任がある。

(二)  被告櫻井は、加害車の後部に亡順を同乗させて加害車を運転していたが、無免許運転、スピード違反(法定速度毎時六〇キロメートルのところ毎時七〇キロメートルで走行)、前方不注意、ハンドル(ブレーキ)操作不適当の過失により本件事故を発生させたのであるから、民法七〇九条に基づく責任がある。

4  損害

(一)  亡順が右事故により蒙つた損害額は次のとおり合計一四、六四六、九三四円である。

(1) 入院治療費 四、四二一、五〇九円(進藤病院へ三日間入院した分七八、〇二二円と旭川市立病院へ六七日間入院した分四、三四三、四八七円)

(2) 入院諸雑費 二〇、七〇〇円(入院期間六九日、一日三〇〇円の割合による。)

(3) 入院付添費 八二、八〇〇円(入院期間六九日、一日一、二〇〇円の割合による。)

(4) 休業損害 八二、八〇〇円

本件事故当時の亡順の一日当りの収入は一、二〇〇円であり、これを入院中の六九日間得ることができなかつた。

(5) 逸失利益 八、二三九、一二五円

亡順は死亡当時満一六才であつたから、推定余命は五三・九七年であり、稼働可能年数は四七年である。同人の得るべき収入は昭和四七年賃金センサス第一巻年令別平均給与額表の一・一倍である月額六二、五〇〇円とし、生活費月額三一、二五〇円を控除すると、年純利益は三七五、〇〇〇円となる。よつて同人が稼働可能期間中に得べき金額をホフマン係数を用いて現在額にすると八、二三九、一二五円となる(375,000円×21.971=8,239,125円)。

(6) 慰藉料 一、八〇〇、〇〇〇円

亡順は原告らの二男であり、事故当時旭川市立職業補導所の家具訓練工であつた。同人は友人である被告櫻井が無免許であることを知らず、被告櫻井が清人から加害車を借受け旭山方面へドライブしようとしているのを見て、後部座席に同乗を求め、本件事故に会つたものである。従つて、亡順の受くべき慰藉料は三、〇〇〇、〇〇〇円が相当であるが、右好意同乗の点を考慮して四〇パーセント減額し一、八〇〇、〇〇〇円とする。

(二)  原告らの損害額は次のとおりそれぞれ合計一、五〇〇、〇〇〇円である。

(1) 慰藉料 各一、〇〇〇、〇〇〇円

(2) 弁護士費用 各五〇〇、〇〇〇円

原告らは本件訴訟を昭和四七年一月二〇日原告代理人に委任し、同年七月八日手数料三〇〇、〇〇〇円を支払い、成功謝金の額を金七〇〇、〇〇〇円と定めた。

5  弁済

自賠責保険から五、五〇〇、〇〇〇円、被告櫻井から九、七九六円の弁済があつたので、医療費に五〇九、七九六円を充当し、五、〇〇〇、〇〇〇円を弁護士費用を除く各損害にその額に応じて按分充当した。

6  よつて原告ら各自はそれぞれ被告ら各自に対し右損害額から右弁済のあつた分を控除した六、〇六八、五六九円と弁護士費用を除く五、五六八、五六九円に対する亡順が死亡した日である昭和四六年一一月五日から、弁護士費用のうち手数料一五〇、〇〇〇円に対する昭和四七年七月八日(手数料を支払つた日)から、謝金三五〇、〇〇〇円に対する本件訴状送達の日の翌日(被告加藤については昭和四九年九月一日、同櫻井については同月二日)から、いずれも完済に至るまで年五分の割合による金員の支払を求める。

四  請求原因に対する被告加藤の認否および主張

1  請求原因1および2は認める。同3(一)は否認、3(二)は不知。同4、5は不知。

2  加害車の所有者は清人であり、被告櫻井はこれを無断使用した。仮に無断でないとしても清人は空地等道交法に違反しない場所で乗るよう制限して使用を承諾した。

3  仮に同被告に責任があるとしても、亡順は好意同乗者であり、被告櫻井が無免許でスピードの出し過ぎその他危険な運転をすることを容認していた過失があるので、その程度に応じて損害額は減殺されるべきである。

五  請求原因に対する被告櫻井の認否および主張

1  請求原因1のうち(一)(二)(四)および同2は認める。同1(三)および同3(二)は否認する。加害車を運転していたのは亡順である(なお同被告は当初請求原因1(三)および同3(二)のうち同被告が無免許で法定速度を超過して運転した事実を認めていたが、後にこれは真実に反し錯誤により認めたものであるとして撤回した。)。同4のうち損害補填額、弁護士依頼の事実は認めるが、その余は争う。

2  亡順は加害車のエンジンを始動させ、被告櫻井が無免許で運転経験も乏しく運転操作も未熟であることを知悉しながら自らも交替して運転する目的で同人に運転を慫慂し、同人の降車の要求を拒み、同乗先進させた。

また亡順は運転免許を持つていなかつたとはいえ既に運転実技試験に合格し、十分な運転技能を有し、被告櫻井の運転操作について指導すべき立場にあつたのにあえて危険な高速運転をなさしめた。

従つて、亡順は単純な無償好意同乗者にとどまらず、結果発生に重大な寄与をしているものであり、本件請求は権利濫用であるから棄却されるべきである。

仮に原告の請求が認容されるとしても、右事情は損害額の減額事由として斟酌されるべきである。

六  被告らの主張に対する原告の反論

1  前記四の2の主張に対して、被告櫻井は清人から何ら使用場所の制限を受けずに加害車の貸与を受けたものである。

2  前記五の1の自白の撤回に対して。右自白の撤回には異議がある。

七  証拠〔略〕

理由

一  請求原因1の(一)、(二)、(四)については当事者間に争がなく、同1の(三)についても原告らと被告加藤との間においては争がない。そこで被告櫻井の自白の撤回につき判断する。

同被告訴訟代理人は、当初加害車を運転していたのは同被告であることを認めていたが、昭和四九年一二月五日の本件口頭弁論期日において、これを撤回したことは本件記録上明らかである。ところで自白の撤回は、一般的には、その自白が真実に反し、自白した者が錯誤によりこれをなしたものである場合にのみ許される。

そこで本件をみるに、〔証拠略〕のうち、加害車を運転していたのは亡順であるとする部分は後記各証拠にてらしてにわかに信用し難く、他に被告櫻井以外の者が運転していたことを認めるに足りる証拠はないから、右自白が真実に反したものであるということはできない。

さらに〔証拠略〕によれば、被告櫻井は本件事故当初から一貫して自己が加害車を運転していた旨供述し、本件事故を起したことについて昭和四七年九月一三日横浜家庭裁判所で不処分決定がなされたこと、同被告は当初本件訴訟の訴訟代理人にも自己が運転していた旨述べていたが、昭和四九年一一月中頃、原告らから本訴において一〇、〇〇〇、〇〇〇円以上の請求がなされていることを知り初めて加害車を運転していたのは自己ではなくて亡順である旨を右代理人に告げたこと、そこで右代理人は同被告の言に従つて前記口頭弁論期日において自白を撤回したことが認められ、右事実によれば代理人においては一応錯誤により自白したものということができる。しかるところ同被告は、本人尋問の際加害車を運転していたのは亡順であるが当初自己が運転していた旨述べていたのは、本件事故直後に亡順から右のように供述するように頼まれたためである旨述べるが、仮にそうであるなら、代理人において錯誤により自白したとしても、同被告が不真実であることを知りながら代理人に自白事実を伝えていたためになされた自白であるから、このような場合にはその撤回は許されるものではない。

従つていずれにしろ右自白の撤回は許されない。

そうすると原告と同被告間においても請求原因1の(三)は争がないことになる。

二  請求原因2は当事者間に争がない。

三  被告加藤の責任について判断する。

〔証拠略〕によれば次の事実が認められる。

加害車の登録名義は被告加藤であること、加害車は同被告の息子である清人が同被告に無断で本件事故の四ケ月ほど前に、以前同被告から買つてもらつた原動機付自転車と買い換えたものであり、専ら清人が大学への通学等に使用していたこと、清人は同被告とは別居し、祖父母とともに生活しているが清人の生活費や学費は同被告が支出しており、加害車を購入した資金も清人がアルバイト等で得た金員のほか同被告から与えられた金員が当てられたこと、加害車を購入した際当初清人は自己名義で登録しようとしたが未成年者であつたため、同被告には無断で同被告名義で登録したこと、その一か月ほど後に加害車にかけてあつた自賠責保険がきれたため、清人は同被告に対し加害車が同被告名義であることを告げて保険をかけてくれるように頼み、同被告はこれにより加害車が自己名義で登録されていることを知つたが、これを認容し、さらに加害車を専ら清人が通学等に使用することをも認容して、安全運転をするように注意を与えるなどし、同被告名義で自動車損害賠償責任保険契約を結び保険金を支払つていたこと、本件事故当日、清人は知人である被告櫻井を加害車に同乗させて自宅から永山駅まで行つて、午後一二時過ぎ頃自宅へ戻つてきたところへ同被告と中学校時代からの同級生であつた亡順が来合わせたこと、被告櫻井も亡順も日頃からオートバイに興味を持つていたことから、清人の前で互に加害車の座席に座つてみたりしていたが、被告櫻井はそのうちこれを運転してみたくなり、清人に加害車を運転させてくれるように頼み、後部座席に座つていた亡順を乗せたまま、清人宅前から道路上を加害車を運転していき、清人はこれを黙認したこと、被告櫻井はそのまま亡順の家へ立ち寄つた後旭山方面へ行くつもりで運転していて本件事故を起こしたこと、

以上の事実が認められ、〔証拠略〕のうち右認定に反する部分は前記各証拠にてらして信用できない。

右事実によれば清人がアルバイト収入等によつて加害車を購入したとはいえ、被告加藤は加害車が自己名義に登録されているのを知つた後これを認めて清人から請われるまま自ら自動車損害賠償責任保険契約を結んで保険金の支払をし、ガソリン代等加害車の走行管理に要する費用も通学のための費用等として支出していたのであるから、本件事故の際の加害車の使用運行を支配していたものということができる。

なお同被告は、清人は加害車を被告櫻井に貸与したとしても使用場所を制限した旨主張し、〔証拠略〕によれば、清人は被告櫻井から加害車を運転させてくれるように頼まれたときにどこか空地で乗るように発言したことも認められるが、その後前認定のとおり被告櫻井が道路上を運転することを黙認しているのであつて、右発言のみから使用場所を制限したと認めることはできないし、他にこれを認めるに足りる証拠もない。

そうすると被告加藤は加害車の運行供用者として自賠法三条に基づく責任がある。

四  被告櫻井の責任について判断する。

〔証拠略〕によれば、本件事故現場は旭山公園から米原部落へ至る幅員五・五メートルのアスフアルト舗装の歩車道の区別のない道路であり、被告櫻井は時速約七〇キロメートルで運転していたところ道路前方が右へカーブしていることを発見し、そのままの速度でいけば曲り切れないと思いブレーキをかけて減速したが結局曲がり切れず、カーブの手前で道路から二・四メートル下の道路左側の水田に加害車ごと転落したものであることが認められ、被告櫻井本人尋問の結果のうち右認定に反する部分は信用できない。

右事実によれば本件事故は同被告が運転が未熟であるから加害車を運転するに際してはハンドル操作を確実にできるよう特に安全な速度で走行すべきであるのに高速度で運転したこと等の過失により発生したものであることが認められる。

また前記各証拠によれば、亡順は同被告が運転免許を有せず運転技術も未熟であることを知りながら加害車に同乗し、同被告が相当の速度を出すことについても認容していたこと、亡順は同被告が無免許であるため同被告に対しその都度警察官に見つからないような道路を指示していたことが認められるが、右事実があるからといつて、損害額減殺の事由にはなつても、同被告の責任を否定することはできないし、本件全証拠によるも亡順が運転免許の実技試験に合格していたとはいえ、被告櫻井の運転操作を指導すべき立場にあつたことを認めるに足る事実も、同被告に運転を慫慂した事実も認めることはできない。

そうすると同被告は民法七〇九条による責任がある。

五  損害

〔証拠略〕によれば、亡順は本件事故により腹部挫傷(内臓損傷)、左大腿骨々折の傷害を受け、昭和四六年八月二九日から同月三一日まで進藤病院に、同日から同年一一月五日まで市立旭川病院に入院したが同日右傷害のため死亡したことが認められる。

1  玉堀順の損害

(一)  (入院治療費)〔証拠略〕によれば亡順は治療費として進藤病院に七八、〇二二円、市立旭川病院に四、三四三、四八七円を要したことが認められる。

(二)  (入院諸雑費)亡順は昭和四六年八月二九日から同年一一月五日までの六九日間入院したことは前記のとおりであり、その間の入院諸雑費として一日三〇〇円を要することは経験則上認められるから、合計二〇、七〇〇円(300円×69日=20,700円)の入院諸雑費を要したことが認められる。

(三)  (入院付添費)〔証拠略〕によれば順は入院中絶対安静を必要とする状態であつたから付添人を必要とし、同人の母である原告玉堀ユキらが付添つていたことが認められる。入院付添費は一日あたり少くとも一、二〇〇円を要することは経験則上認められるから、合計八二、八〇〇円(1,200円×69日=82,800円)要したことになる。

(四)  〔証拠略〕によれば亡順は事故当時満一六才で道立旭川専修職業訓練校の生徒であつたものであり、同人に当時収入があつたことを認めるに足りる証拠はない。従つて休業損害は理由がない。

(五)  (逸失利益)亡順が死亡当時満一六才で職業訓練校の生徒であつたことは前記のとおりであり、本件全証拠によるも余命を縮める重大な疾患があつたことは認められないから、平均余命を全うしたであろうと推測される。

〔証拠略〕によれば、亡順の家庭は当時兄(当時一九才)は埼玉県で配管の仕事をしており、父である原告玉堀富士夫は脳軟化症等で入院中であり、母の原告ユキはたまに洋服屋の賃仕事などをして収入を得ていたほかは生活保護を受けていたこと、亡順は職業訓練校で木工の職業訓練を受けており昭和四七年三月に卒業しだいその方面の仕事につくつもりでいたことが認められる。右事実を考慮すると亡順の稼働可能期間は一八才から六三才までの四五年間とするのが相当である。

〔証拠略〕によれば、昭和四七年当時の労働者の平均給与額は原告ら主張の月額六二、五〇〇円以上であつたことが認められるから、亡順についても右稼働可能期間中同額の収入があつたものと認めるのが相当であり、亡順の純収入を算定するにはその間生活費として原告主張のとおり収入の五割を控除するのが相当である。そうするとその間の年純収益は三七五、〇〇〇円となる((62,500円×1/2)×12か月=375,000円)。

そこで右稼働期間中に得べかりし収益合計額を、年五分の割合による中間利息控除につきホフマン複式係数(年別)を用いて本件事故当時の現価額に算定すると八、二三九、〇五〇円となる(375,000円×(23.8822-1.8614)=8,239,050円)。

そうすると亡順は死亡したことにより同額の得べかりし利益を失つたことになる。

(六)  (慰藉料)亡順の年令、健康状態等を考慮すると、二、〇〇〇、〇〇〇円が相当である。

以上(一)ないし(六)の合計は一四、七六四、〇五九円となる。

2  原告らの損害

(一)  (慰藉料)亡順の年令、家族構成その他の事情を考慮すると各自一、〇〇〇、〇〇〇円が相当である。

(二)  (弁護士費用)本件事件の難易、認容額等を考慮すると各自一〇〇、〇〇〇円が相当である。

六  過失相殺

原告らの損害額は以上のとおりになるが、次の事情を考慮すれば損害賠償の額は右損害額(弁護士費用を除く)から相当程度減額すべきである。

前記のとおり亡順は被告櫻井が運転免許を有しておらず運転技術も未熟であることを知つていながらあえて加害車に同乗し、相当の速度を出すことについてもこれを認容していたものであるから、損害の発生については相当程度は自らの責任によるものといわなければならない。

右の事情を考慮して、亡順、原告らの右損害額からいずれも六割減額するのを相当とする(弁護士費用を除く)。

七  本件事故による損害につき自賠責保険から五、五〇〇、〇〇〇円、被告櫻井から九、七九六円の合計五、五〇九、七九六円の弁済を受けたことは原告らの自認するところであるから原告らの損害額からこれを控除すると、残額は原告ら各自につき六九七、九一三円(端数切捨て)となる。

(1/2{(14,764,059円×0.4)-5,509,796円}+(1,000,000円×0.4)+100,000円=697,913.8円)

八  そうすると原告らの請求は各自六九七、九一三円と内金五九七、九一三円(弁護士費用を除いたもの)に対する昭和四六年一一月五日から、内金一〇〇、〇〇〇円については本判決確定の日の翌日から(原告ら主張の日に手数料を支払つたと認めるに足りる証拠はなく、弁護士費用についての遅延損害金は本判決確定の日の翌日から発生すると考えるのが相当である)いずれも完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を求める限度で理由があるから、右の限度で認容し、その余は理由がないから棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言につき同法一九六条を各適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 長谷喜仁 竹江禎子 有吉一郎)

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